ご隠居の

「海軍ファンへの道」第2回

出会い


 今回は、海軍に興味を持つに至った出会いを紹介します。

 その1は新聞の連載です。中学1年生の頃だったと思います。当時読売新聞に 「昭和史の天皇」が連載されていました。たまたま「捷1号作戦」の頃の戦記が 掲載されている頃でした。栗田、西村、志摩艦隊のレイテ湾突入の場面です。
 それまで、戦艦といえば「鉄の城」であり、大和、武蔵に代表される不沈艦のイ メージを抱いていました。ところが、武蔵は飛行機に袋叩きにされ、思っててい たイメージから考えるとあっけなく沈んでしまいます。駆逐艦といえば、ちょっ との被弾でブリキ船のようにあっという間に轟沈。海戦とはすさまじいものだと 初めて感じたのです。
 それまでは、三船敏郎の映画などのイメージからカッコ良さばかり感じていまし た。初めて戦記を読んでそれまでのイメージは一新。戦争の恐怖を感じました。 原爆の話などは聞いていましたが、それは一般市民から見た恐怖がほとんどで、 戦いの現場(こう言う表現で良いのでしょうか?)からみた戦争の初体験と言え るものでした。
 この連載で覚えている艦は駆逐艦「時雨」です。西村艦隊で生き残った駆逐艦で す。「雪風」ほど有名ではありませんが、私の記憶に初めて残った駆逐艦の名前 でした。

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 その2は中学2年生の時。カッパブックスから発売された堀越二郎氏の「零戦」。 学校の図書室に新刊本として入ってきました。今度は初めての兵器開発物語です。 図書室ではゆっくりと読めないので、早速購入して読みふけっていました。それ までWW2の日本軍用機といえばこの「零戦」くらいしか知らなかったのですが、 「96式艦戦」や「雷電」さらに陸軍の「鐘馗」の存在を初めて知ったのです。 海軍の飛行機(艦上機)は陸軍の飛行機とは違い、空母での運用が可能です。 (一概に断言できない事は後に知りましたが)こういう付加価値を持つ軍用機に 魅せられてしまいました。
 理科系志向の私は、陸軍よりも海軍に興味を持つようになりました。多分に、陸 軍といえば歩兵。歩兵といえば泥塗れのイメージが強かったのでしょうが、メカ はやっぱり海軍だという認識になっていったようです。
 その後、大学に入るまではこちらの関連の興味はそれ以上には強くはなりません でした。それはアマチュア無線に興味を持ち、そちら一筋の中高生活を送ったか らでしょう。海軍への興味が復活するのは大学へ入ってからしばらく後のことに なります。

つづく
最終更新(1999/01/31)