ご隠居の

「海軍ファンへの道」第3回

再会


 時代は大学時代。昭和50年代へ移ります。
 海軍(と言うより軍事関連)への興味はしばらく薄れていました。もっぱら電 子計算機およびプログラムへの興味が主となり大学のサークルでゲームのプロ グラムに没頭していました。ところが、大学の友人でアバロンヒルのボードゲ ームファンが居ました。その彼がたまたま「ミッドウェー」を持っていたのが 海軍との再開でした。持ち主をほおっておいて他の友人とこのボードゲームを 何時間もかけて何度も何度も繰り返したのです。日米の艦の名前はまだまだな じみの薄いものでした。それぞれの艦の性能も良く把握していません。ゲーム を戦っているうちにそれらの艦のことが知りたくなりました。でも何を見、読 めばそれらを知ることができるのか何もまだ判らない状態でした。

 そのころ私の読書対象はSFが主体でした。星新一、小松左京、筒井康孝、豊 田有恒などなど。そんな本を読んでいたころふと本屋で「アメリカ本土決戦」 (檜山良昭)を手にしていました。今で言うシミュレーション戦記のはしりで すね。これを読んだことから本屋でそれらしき本を見るとつい購入するように なりました。特に目に付いたのは軍艦関係と航空機関係のブックス版ばかりで す。今から思えば超初心者向けの本ばかりですが、私にとっては新鮮ですばら しい内容ばかりでした。
 学生ですからそう自由になるお金も多くないのでハードカバーや高価な写真集 などには手が出ません。本屋で見かけても垂涎の的で眺めているだけ。いつか あんな本を手に入れたいものだといつも思っていました。
 それから何時どんな本を買って読んだのかはもう記憶が定かではありません。 それに乱読派の私は軍事関係の本ばかり読んでいたわけでもないので収拾のつ かない状態です。それでも今のように積極的にその関係の本を読み始めたきっ かけの本を3冊記憶に留めています。1冊目は「世界の艦船」の増刊「アメリ カ航空母艦史」。次の1冊は豊田穣の「四本の火柱」、最後は高橋孟の「海軍 めしたき物語」です。「アメリカ航空母艦史」はCV番号と艦名とを一生懸命 覚えようとしたものです。「四本の火柱」と「海軍めしたき物語」は戦争文学 や戦記小説というものへの興味のきっかけになった本です。この3冊と出会っ ていなければここまで興味を示すようになることは無かったと思います。

これらをきっかけに戦記小説や人物伝を読み漁っていくことになります。


最終更新(1999/05/04)